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仏事のいろは |
仏事のいろは その1 |
Q. 浄土真宗はお位牌を使わず、過去帳を用いると聞きましたがどうしてでしょうか。
今回のご質問は他宗派のご家庭で生まれ育たれ、縁あって浄土真宗のご家庭に嫁がれました福間町市にお住まいの鈴木園子(仮住所・仮名)さんからです。
A. お答えいたします。
鈴木さんのようにお仏壇にお位牌があるのを当然のこととして育たれたお方には、浄土真宗のお仏壇のお飾り、特にお位牌がないということは驚きであるようです。 そこでまず、お位牌や過去帳に対する浄土真宗の考え方をお話しいたします。 最初に、お位牌や過去帳とは何なのでしょうか。お位牌や過去帳に共通することは、亡くなられた方の法名(戒名)やお名前(俗名)、そして亡くなられた年月日と、亡くなられた時のご年令などを記入していることです。
つまり、どちらも記録する手段の一つであることは間違いないようです。
相違点はその材質です。位牌が木に漆や金箔を塗ったものであるのに対して、過去帳は紙で作られております。
また、記入できる量も位牌と過去帳ではずいぶん違います。位牌が一人もしくは二人、差込式の位牌でも十人が限度であるのに対して、過去帳は五十人以上もの記録を書き込むことが出来ます。
また、百年・二百年と年月を経ますと、お位牌を使っている場合お仏壇の中がお位牌だらけになってしまいますこれが一つ目の理由で、二つ目の理由は、お位牌も過去帳も礼拝の対象ではないということです。 我々は記録に対して手を合わす宗派でなく、亡き人をご縁として阿弥陀如来の救いを聴聞し感謝してゆく宗派なのです。ですから礼拝の対象は阿弥陀如来であり、それは南無阿弥陀仏のお名号やご絵像・お木像が対象となります。 お位牌を作りますとどうしてもお位牌に手を合わすようになってしまい、阿弥陀如来は二の次、三の次となってしまうのです。 寶蓮寺有縁の方の中にも、他宗派の影響を受けてまれに お位牌を作られる方がおります。お位牌を作られても結構なのですが、「お仏壇の下の段に、中央をはずしてご安置して下さい」とお願いしましても、掃除するたびに上の段に移動し、ついにはご本尊を隠すように最上段中央に鎮座ましますことが多々あります。 これは主客転倒ですので、このような間違いを犯さないためにも私たちは過去帳を用いるのです。
とは申しましても、まだまだ、父や祖父の時代から差し込み式の箱位牌を御使用されていらっしゃるご門徒の皆様もかなりいらっしゃいます。すぐに変更されることはございません。何かのご縁のときにでも、真宗本来のあり方である「過去帳」を使って頂きたいと思います。
お位牌も過去帳も故人を偲ぶご縁としての記録なのです。宗派にこだわられることもありませんし、魂や霊があるわけでもございません。ご友人の記録も過去帳に記入されてもかまわないのです。
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